土壁や石畳の路が残り、武家時代の雰囲気を感じられる場所といえば「長町武家屋敷跡」。界隈には豪壮な武家屋敷が立ち並び、伝統環境保存区域および景観地区に指定されています。
そこに立つだけで、武家時代にタイムスリップした気分になり、観光地としても人気のスポット。ひがし茶屋街とともに、金沢を代表する街並みの景観です。久々にお散歩し、観光客ごっこを楽しんできました♪

小さい道ながら、車もわりと走るので注意が必要です!

武家屋敷の土壁を背に、この町に流れているのは「大野庄用水」です。犀川を水源として流れているこちらの用水は、今でも屋敷内庭園の曲水に利用されているんだとか。ホタルも見られることがあるんですって。風情を感じさせる流れですね。
金沢城築城に大きな役割を果たしたと伝えられている大野庄用水は、長町の素敵な景観にはかかせないものとなっています。

歴史を感じさせる土壁&石畳

冬になるとこの土壁に寒さや雪から守る「こも」を掛けます。兼六園の「雪吊り」とともに、冬の金沢ならではの景色です。こも掛けされている写真は観光ガイドとかでもよく見られますよね。有名。

藩政時代に加賀藩の中級武士だけが住むことを許された場所。今も往時を偲ばせるまちなみが残る中で、唯一公開されているのが武家屋敷跡 野村家です。初めて行きます、わくわく。

武家屋敷跡 野村家

加賀百万石の礎を築いた前田利家が金沢城入城の際に、直臣として従った野村伝兵衛信貞家。彼が拝領した屋敷がこちらとのこと。廃藩まで11代にわたって続いた由緒深い家柄です。
武家制度の解体とともに屋敷の住人は変わり、現在の建物は「北前船」船主で加賀藩の豪商、久保彦兵衛の屋敷を一部移築したものです。

入り口のお庭も素敵ですね
上段、謁見の間

「上段の間」と「謁見の間」は、豪商、久保彦兵衛が藩主を招いた豪邸の一部から移築したものです。総檜づくりの格天井、紫壇、黒檀材の細工造りがみられる上段の間はすべてが豪華!わたしのカメラでは伝わらないと思ってただただ目で楽しんできました。畳下が桐板張りって書いてあったんですけど、すごいですね。畳を張り替えるときくらいしか表に出ないのに…見えないところまでお金をかけるってすごい気の入り方!!
そして襖は加賀藩のお抱え絵師である佐々木泉景によるもの。こちらも圧巻です。

そして一番の見どころは庭園!!樹齢四百年の山桃や椎の古木、濡縁にせまる曲水や落水、灯篭などが美しく配置されており、「庭園としての美」がぎゅぎゅっと凝縮されています。こんなに要素がいっぱいあるのに美しく見えるのも配置のバランスとか計算されているんでしょうか。
米国の庭園専門誌「ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」誌の日本庭園ランキングで3位に選ばれたほか、「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」の格付けでも2つ星に選ばれており、海外からの観光客の評価も高いようですね。

ちがう角度からも撮っちゃう。どこから撮っても素敵。

北陸新幹線開業の際、CMで着物を着た杏さんが腰をかけていたんですよ。素敵な場所。

わびさび~

ここに座ってお庭を見ていると、あっというまに時間が過ぎていきます。無になれる場所。

つくばい

「植物の色や形の塩梅で庭は変化していくが、唯一石だけは完成したときから形などに変化がない。不変の要素だからこそ、ここに力を入れる」と庭師の夫から聞いたことがありました。
それだけ庭の構成要素として重要な石。灯篭や大かけ橋、そしてつくばいなどにも注目してこの美しい庭園を楽しんでいただきたいですね。

茶室からの眺めも風流

奥に進むとある、2階の茶室も見学できます。控えの間にある床板は樹齢約千年の紅葉の一枚板だったのですが、このサイズ感の一枚板が存在するの…!?とか感動でした。美しい…。あと窓から見るお庭もまた素敵です。
こちらでは抹茶と干菓子を楽しむことができるそうです。ご予約の上、厳かで優雅な時間を楽しむのも粋ですね!!

ゆったりとした時間の中で、当時の美意識を感じられたように思います。私が見て回っている間にも観光で来られた方々がひっきりなしに見に来られていたので、あらためてその人気も感じました♪着物を着て巡っている方もいて、粋でしたきれいでした◎
また野村家のすぐそばには、「茶菓工房たろう」や「菓ふぇMURAKAMI」などひとやすみして甘味を楽しめるお店もありますよ♪どちらもスペシャルにおいしいのでおすすめです!!

武家屋敷跡 野村家
住所:石川県金沢市長町1-3-32
電話:076-221-3553
開館時間:8:30~17:30(4月~9月)
     8:30~16:30(10月~3月)
     ※入館は閉館の30分前まで
入場料:大人550円/高校生400円/小中生250円
    ※団体割引(20名以上)50円引き(要予約)
抹茶料:300円
休館日:1/1・2、12/26・27
http://www.nomurake.com/
※情報は投稿時のものです。

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