「金沢は着物が似合う街」という言葉もあるようで、近頃金沢の街をぶらりと歩いていると、浴衣や着物姿の方々をよく見かけます。そんな着物について、石川の加賀地方には加賀友禅という国指定伝統工芸品があるのをご存知ですか?京友禅の技法が金沢に持ち込まれ発展したものですが、京友禅と比べ、加賀五彩と言われる「藍、 臙脂、黄土、草、古代紫」を基調とする紅系統を生かした、落ち着きのある写実的な草花模様を中心とした絵画のような柄を特徴としています。今回は、この加賀伝統の美である加賀友禅をイメージしてつくられたお菓子、「友禅ころも」をご紹介します。

「友禅ころも」は大正15年創業の金沢の老舗和菓子店、菓匠 まつ井さんの人気商品です。金沢駅近くに本店を構え、金沢の伝統や文化、歴史を取り入れたさまざまな和菓子を作っています。では「友禅ころも」はどのように加賀友禅を表現しているのだろう…と気になりますよね。まず、加賀友禅らしさは商品の包装からも感じられます。草花柄の包装紙に包まれた箱を開けると、商品がひとつひとつ「友禅流し」を表現したようなイラストの包装紙で個包装されています。友禅流しとは、加賀友禅の染め工程の一つで、川で生地を洗う作業のこと。現在でも冬になると浅野川にて友禅流しを見る事ができ、金沢の風情を感じられます。

それではいよいよ実食。すてきな個包装を開くと、羽二重餅から透けてみえる淡い柔らかな紅色の白味噌餡。現在の友禅染めのもととなった紅色の無地染め「梅染め」、さらに表現技法の「ぼかし」を思わせます。その上に上品に散らした金箔。金沢といえばやはり金箔ですよね。お味ももちろん絶品!しっとり柔らかな羽二重餅と、風味豊かな白味噌餡はやさしい甘さが口いっぱいに広がります。温かい、加賀棒茶などのお茶とも相性ばっちりで、旅の疲れを癒す和菓子にもってこいですね。着物で金沢を観光した際には「友禅ころも」をお土産話に金沢の思い出話に花を咲かせてみてはいかがでしょうか?

購入場所:金沢駅百番街「あんと」
購入金額:918円(税込)
購入日:2016年10月
ホームページ:
(株)菓匠まつ井 http://www.wagashi-matsui.co.jp/
※情報は投稿時のものです。
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