松波酒造見学

能登町松波にある松波酒造は、今年(2017年)で創業114周年の歴史ある酒造さんです。看板銘柄である「大江山」は、今年度の能登自釀清酒品評会にて普通酒部門第1位を獲得しており、その高い品質はお墨付き。酒蔵見学では、そんな日本酒の試飲はもちろん、昔ながらの伝統的な酒造りの設備や器具を見学することができます。夏でも涼しく天井の高い酒蔵は、日本家屋の懐かしさと、静かで神聖な雰囲気を纏っています。作りたての日本酒を味わいながら、今日まで技術が脈々と継承され、日本酒が醸されてきた長い歴史に思いを馳せてみるのもいいかもしれませんね。

そんな松波酒造の注目ポイントは、自社農園で収穫された梅や柚子、柿、ごぼう(!)といった果実や野菜を贅沢につかった日本酒リキュールを展開しているところ。飲みやすくも味わい深い果実酒は、特に若い女性に人気のようです。まるで人の名前のようなユニークな商品名も要チェック!

酒造に併設された販売スペースでは、松波酒造自慢のお酒達はもちろん、地元の名産品をつかったおつまみも取り揃えられていて、思わず目移りしてしまいそう。冷蔵庫では筆者一押しの商品、清酒技法「ふなしぼり」で出来た大江山の酒粕が販売されています。おすすめの味わい方はお味噌汁にひとさじ入れること。栄養価が上がるだけでなく、味にコクが増して減塩にもつながるそうです。

そんな充実した販売スペースの一角でひときわ目を引くのが、記念撮影用の特製パネル!松波酒造に来たことをSNSで存分にアピールできる、なんともフォトジェニックなアイテムが用意されているのです。能登町を訪れた際には、ぜひ松波酒造でお土産の購入と旅の思い出撮影をしてみてはいかがでしょうか。

自釀清酒品評会

自釀清酒品評会は、毎年春に行われる能登杜氏組合の行事です。能登杜氏が腕によりをかけて造ったその年の新酒が並び、吟醸酒・普通酒の部門でその年の一番が選ばれます。今年度(2017年度)の会では吟醸酒46点、普通酒27点が出品されました。そして審査が終わった新酒は、なんと一般客、もとい、これを目当てに能登を訪れた全国の日本酒ファンに振る舞われるのです!

会場では番号のシールが貼られた一升瓶がずらりと並び、来場者は実際の品評会と同様、銘柄を知ることなくそれぞれのお酒を味わうことができます。審査結果は会場内に掲示されているので、それを参考に評価の高いお酒を選りすぐって楽しむもよし、じっくりと飲み比べて好みのお酒との運命の出会いを探るもよし。自分の好みにあった様々な楽しみ方ができるようになっています。

また、会場では同銘柄の日本酒を濃度が高い順に並び替えるテストや、12本の日本酒の中から同じ銘柄を6種選び出す利き酒テストなど、日本酒ファンの心をくすぐる企画も用意されていました。お酒をつい飲みすぎてしまった方には、能登の美味しいお水のお土産が。緊張感のある審査会場の雰囲気を味わいつつ、自分のペースで様々な日本酒と出会うことができる、貴重な機会でもあると言えるでしょう。日本酒好きにはぜひ一度は訪れていただきたいイベントです。

杜氏組合懇親会

自釀清酒品評会の後は、能登杜氏組合の皆さんの懇親会が開かれます。今年の乾杯酒は品評会で見事普通酒部門1位を獲得した松波酒造の「大江山」でした。

 

乾杯の挨拶の後は、能登杜氏さん達がテーブルを回って、我が子のように大事にしてきた自慢のお酒を順々にお酌してくれます。日本酒のこれからについて、作り手と消費者が飲み交わしながら意見交換ができる、またとない機会でもあると言えます。作り手と実際にお話をしながらいただくお酒が美味しくないわけがなく、杜氏さんの酒づくりに対する真摯な姿勢、言葉の端々から溢れる日本酒への愛情を肴に、ついつい飲みすぎてしまうのもご愛嬌、ということで。

さて、会場である能登うしつ荘のお料理は、能登の魚介類や海藻を中心にした日本酒に合うものばかり。その中でも能登で獲れたイカを塩で発酵・熟成させた調味料「いしり」で能登の海の幸・山の幸を大きな貝殻の上で煮込む「能登いしり貝焼き」は、独特な風味がクセになる、辛口の日本酒との相性抜群の最高の一品でした。さらに、夜も更けて気持ち良く酔いがまわってきた頃、日本酒のことを知り尽くした杜氏さん達によるマリアージュ講座が始まります。鮑にはこのお酒、カプレーゼにはこのお酒、といったように、一品一品にあった日本酒が杜氏さんからつぎつぎと繰り出され、その的確さに日本酒への熱い思いを強く感じました。

能登の地酒を作り手と話しながら、能登の美味しい食材とともに楽しむことができる素晴らしい会でした。

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